2017年夏・東京某ホテル
米国CAPITOL社会長スティーブ・バーネット氏
「ツーッツーッツー、あ、ミシェル? 俺だ。明日東京を発つよ。いや〜、東京、凄いことになってきたよ。それで君に電話してるわけだが、そうK-POPの方だ。ゆうべ、武道館のBLACKPINKショーケースも盛り上が・・いや、音楽がどうこうじゃないんだ、これはシンドロームというべき波だ、文化でありブームなんだよ。白人ではできない、コリアン顔が重要で・・うん、ゆっくり話そう。近い将来アメリカにも来るんだその波が。ああそうさ。K-POPが米国のランキングやアワードの常連になるかもしれない。だが、我社はまだどことも契約してないってわけだ、わかるだろミシェル。大急ぎで、K-POPの市場分析と会社別動向をまとめておいてくれ。頼んだぞ。来年は忙しくなりそうだ」
2017年末・韓国ソウル SM企画社長室
イ・スマン氏「・・・というわけだ、ヨンミンくん。君、どう思う?」
キム・ヨンミン氏「キャピトルってEMIごとユニバに買収されたことですよね。それはまた、えらく気に入られましたね!すごいじゃないですか!」
ス「うん。何としてもSMと一緒にやりたいと。気持ち悪い位のラブコールや」
ヨ「なぜなんでしょうか」
ス「スティーブ会長いわく、SMが【最もK-POPらしいから】だと。なんでも、3ヶ月間、あらゆるK-POPのMVを見まくった結果、そう確信したらしい。SMは、顔も曲もしゅっとしてるのがええらしいわ」
ヨ「へえ!米国人にも【しゅっとしてる】がわかるんですね!で、どこと契約したいと?」
ス「今だと、EXOかNCTDREAMと契約したいと」
ヨ「やはり男子ですか。でも、EXOはもう兵役始まるので無理です。DREAMだって、まだまだ未成年だし、米国みたいに夜遅く仕事する国は無理ですよ」
ス「そこや。それは、来週ロスまでいって説明しよと思う」
ヨ「127じゃダメなんですか」
ス「別に、127でもええらしいけど。今ひとつ、SMらしくないとかいうとったわ」
ヨ「それが目的ですからねぇ127は。SMらしくない音楽に挑戦するのが」
ス「まあ話きいてくる。それで今日、君に確認しときたいのは、練習生のことや」
ヨ「あ、新人との契約も一案ですね。えー、先日、ジョンウとルーカスとクンがROOKIES入しまして、あとは、入りたての中国人が5人・・残りは後5年ほど使えないですね」
ス「ジョンウて土曜オーデの子?そら期待できるがな、何年ぶりや。あとは全部中国人か。それNCTチャイナ用練習生やろ? あかん。そこは変えとうない」
ヨ「でも先生、THAAD騒ぎで、このままだと、NCTチャイナの話自体なくなりそうでしょう? 中国デビューできないんなら、そっくりNCTアメリカに変えてもいいのでは」
ス「なんで全員中国人で米国デビューするんや。頭おかしいやろ。中国人が中国デビューするから意味あるんやないか。中国はワシの夢。アメリカも夢だが中国はもっと大きな夢!」
ヨ「お!中国をとるか!アメリカをとるか!贅沢な二択ですね、すごい先生!」
ス「困ったなぁ。難しのぅ。127にネオカルチャーテクノロジーやめさせて、しゅっとしたSM曲に変えるの、ワシ、気が進まんわー」
ヨ「いいんじゃないですか? ねおかるちゃー評判悪いですし。あれじゃいつまでたっても売れませんて!むしろ、今ならまだ間に合います。そうしましょう」
ス「うーむ。なんかいい手はないやろか。まずは来週の会議かな。うまくいけば今後、月2でロス会議になるけど、君、誰にも喋るなよこの話」
ヨ「月2ロス? じゃホテルより家を借りた方が安くて便利ですね。えー、では先生と私と」
す「君は来んでええんやで」
ヨ「えっ」
2018年夏・ソウル 某居酒屋個室
テミン「わーー先生。2人で飲むなんて初めてじゃないですかえっなに。たごんむよう?なんすかそれえっなに、ええーーーっ!!SMグループが全米デビュー?」
スマン「コラコラコラコラ、声がデカイ! テミナ静かに」
テミン「この前、BTSが初めてビルボード200で1位獲ったでしょ。ああいうことがSMのグループでできるかもってこと? すごーーーーーーい!」
スマン「テミナ。できるかも、じゃなくて、やるんだうちも、ビルボード1位」
テミン「きゃーっ!すごーー!やっぱりNCT127がデビューするんですかぁ?」
ス「それなんだが、テミナ。きみ、そこに参加しないか?」
テ「えっ、NCT127に僕が?」
ス「そうじゃない。米側と会議を重ねた結果、既に顔が売れててファンがついてる子をSM内でランダムピックすることになったのだ。ミシェルさん命名「アベンジャーズ方式」だ」
テ「ミシェルさんて、誰なの?」
ス「とにかく、このプロジェクトは君にかかっとるんやテミナ。やってくれるな?頼む、君が入らんと始まらんのや。一番大事やから最初に話してるんやで」
テ「でも、僕、しゃいにをやめたくないです」
ス「SHINeeはやめなくていい。皆、掛け持ちだ。両方できるから安心しろ」
テ「そうなんだ・・・あの、ほかに、誰がいるか、聞いていいですか????」
ス「それな。これから一緒に考えてほしい、そして一緒に説得していこテミナ。えーまず」
テ「僕カイがいいです、カイ!お願い!あとすほしゃんね。べっきょにも。それでちゃにょり!あれれ、EXOばっかじゃダメか」
ス「テミナより若い子にして。未成年はダメだが。仲良しクラブやないねんから」
テ「わかったわかった先生、じゃあね・・・うふふ・・ごにょごにょごにうふふ」
ス「わっはっは!意外でええかもなぁテミナ。うふふ。意外性なら次はごにょごにょ」
テ「えっ、僕、喋ったことない!一回喋りたかったの!そっかじゃあ次はね・・」
2018年秋・米国ロサンゼルス CAPTOL本社会議室
ステーブ「やっと、大枠が全部決まりましたな、スマンさん!」
スマン「有難うございます。会長のお陰です!内容も時期もうまく調整できました!必ず成功します!」
スティブ「時間はかかったが、やはり貴方に頼んでよかった。それから、127の米国活動だが、その件もちゃんとサポートしますから安心して下さい」
スマン「実は、私、それが一番嬉しいです。127は今の路線でいきたかったので」
ミシェル「私、127の路線も悪くないと思うの。だからほっとしたわ。127もSuperMも両方売れるといいわね、きっと売れますよ」
スマン「有難うございます!会長が、SMらしいSMメンバーとSM曲を!と、はっきり希望され、アベンジャーズという言葉を下さった途端、もやもやが晴れたのです!」
ミシェル「元は私の案ですよ。うふふ。そのうちメンバーにも会わせて下さいね」
スマン「もちろん。今度連れてきますね。機会があれば、ソウルにも是非お越し下さい」
2019年頭 日本・某コンサートホール楽屋
マーク「えっ!!!」
テヨン「えっ!!!」
ヨンミン「そういうことだ。あとの5人は既に知らされてて、君らが最後だ。ちなみに、皆には、スマン先生とテミンが1人ずつ話して回ったんだが、私で申し訳ない。「日本まで面倒で行けないけど楽しみにしてるよ愛してる♡フロムてみん」とのことだ。先生はあとで電話すると」
マ 「えっえっえっ、その7人で全米??」
テヨ「テミニヒョンとカイヒョン、ベッキョニヒョンと一緒なんですかっ??」
ヨ 「そうだ。先日やっとWayVがデビューできたので、全員が掛け持ちという形になるが、両方、頑張っていこう。まあ君らは、掛け持ちには慣れてるだろ?」
マ「でも社長。僕、3つの掛持ちは、さすがに無理です〜」
ヨ「わかってる。だから、マークは、もうDREAMは卒業だ」
テ「いつから練習始まるんですか?ツアーとレコーディングもあるし、てか、みんな何してたんですかこの半年とか一年・・・」
ヨ「先輩3人は、もっぱら英語の勉強さ。君ら英語は大丈夫だし、早く知らせて動揺させては仕事に差し障ると思って黙ってたんだ。スケジュールは会社で管理するから心配するな。それより海外じゃ、上下関係の礼儀は奇妙に映るから、SuperMは無礼講と決まった。徹底してタメ口タメ態度を心がけるように」
マ「むむむりです〜〜。それが一番むり〜僕いくつ年下だと思ってるんすか〜〜」
て「たしかに、それ一番難しいかも・・えっと、先輩3人は、どうやって決まったんですか?僕らも、どういう経緯で・・」
ヨ「散々、皆で話し合って本人たちにも聞いて決まった結果さ。誰とはいわんが条件みたいなのを出した奴もいたし・・聞いてもないのに断ってきた奴もいたっけ。あ、君ら4人は簡単だったよ。なんだテヨン、気になるか?」
て「はい・・・僕らは、特に掛持ちが多いまま来たから、いつもチームに負担が大きくて、僕いつも複雑で・・アメリカ遠いしそれにそんなに凄いメンツなら、僕なんていなくてもだいじょ・・・」
よ「ダメだ。これは決定事項だ。もう君1人の問題じゃないんだ。SMの一大プロジェクトなんだぞ。選ばれた子も選ばれなかった子も同じ気持ちで、全社員が一丸となって挑戦しないと成功しない。テヨナそんなに気を遣うな。どうしても不安ならまた相談に来なさい。わかったね」
2019年春・ソウル SM企画社長室
ヨンミン「先生!イ・スマン先生!」
スマン 「なんやねん、やかましな」
ヨ「先生。前から思ってましたが、なぜ私と話す時だけ関西弁がきついんですか」
ス「別にええやろ。用件はなんや」
ヨ「大変なんです!私の自宅のポストにこんなものがっ!」
社長さま。
どうして、いつも同じ人ばかりが当然のように選ばれるのですか? 僕たちは、自分が選ばれなかったことを、妬んでいるわけではありません。冷静に、才能や実力が優れてる人を選んでいるのはわかってるつもりです。
ただ、同じ人ばかりの空白が長くなると、どうしても、チームとして常に全員が同じ気持ちでいることが難しくなります。ズレが生まれ雰囲気が悪いです。それに、残りメンバーの待機状態が長くなると、何も仕事がないので、焦燥感や劣等感や無力感だけが大きくなります。それでも、僕らはただ待つしかないのです。選ばれた側も、申し訳なさと責任感で倍以上疲弊します。ファンの方々もよくわかって下さってるようで心配してくれてます。つまり、あまりいいことはないようです。それでも続けないといけないのでしょうか。しかし、どこも失敗してしまっては、1つの成功も得られないということもあります。非常に仲のいい僕たちだけに悔しいです。
先日、全員にSuperMプロジェクトの説明がありました。素晴らしい話で震えました。が、今後、よくないことがさらに大きくなって取り返しがつかなくなるのが心配です。ちょっとしたことで解決できると思います。どうか、助けてください。
SMとNCT全員の成功と幸福を願って。
みんなより。
ス「なんやねんコレ。こんなん書きよるの、ジェヒョンかドヨンやろ、どうせ」
ヨ「またそんな勝手に。怒られますよ。みんなからって書いてあるしNCTの総意ですよ、きっと」
ス「残りメンバーの総意な?残りの。いや、わかっとるんや、彼らの気持ちは最初から。NCTはそこがミソやねんから。5年は我慢せぃて、よういうて聞かせたんやけどな」
ヨ「どうします先生? 無視しときますか?」
ス「いや・・・SuperMの成功のためにも、今なにか手を打っといた方がええやろな」
ヨ「なにかって、どんな? 待機メンバーに派手な仕事でも作りますか?」
ス「いやそうやなしに・・もっとこう、根本的な対策が必要や・・ううむ。よっしゃ!しゃーないな! これは、どーーーーんと金も人も時間も使って、全員に補償対策を練るか!」
ヨ「保証? 補償?」
ス「補償や。損失を補って償うと書くんや。SuperMは、各グループのセンターとエースをかっぱらって、作ったようなような格好やろ? ほぼ強制的に。センターとエース2人も獲られたら、その間は何の仕事もできんわな。開店休業状態や。あいつらが拗ねるのも当たり前や。ワシらが休業を要請するなら、その分、補償はせんといかん」
ヨ「どっかで聞いたような…。〈休業と補償はセット〉って。てことは、つまりお金ですか?」
ス「アホか!そんなんやから、お前はいつまでたっても、アイツらの気持ちがわからんのや。歌手や俳優はな、ええ仕事できるのが一番嬉しいんや。お客さんの大歓声が一番嬉しいんや。つまりは、充実感やな。よっしゃ。明日から、短期間で全チーム全メンバーの補償対策を詰める! 各担当集めとけ!」
ヨ「わかりました!有難うございます!」
ス「ジェヒョンとドヨンに「ようわかった!」いうとけ」
ヨ「あの2人じゃないですって。どうも、NCT残り全員で話しあって書いたような・・・そんな話も…きっと…ほらみんなよりって書いてあるし…多分みんなの気持ち…」
ス「さては、お前! お前が書いたんやろこれ。そうやろ、ヨン!正直に言うてみ!メンバーの名を語ってこんなもん書いて!お前こそ怒られるで!」
ヨ「ちちちちち違いますって! あわわわわわ、私はただ・・・」
ス「なんでそう姑息な手を使ってワシを動かそうとするんや。ほんま、お前という奴は、わかってるのかわかってないのか、それがようわからん奴やな。今は、考えられること全部対策しとかんといかん。とにかく補償対策会議や。明日からやるで!」