お留守番のあとに。

RIISE、わかりやすい「景気がいい」曲、ありがとうございます。

こんな時こそ、「太腿戦略」について考える。

今日は、とびきり、くだらない話をします。
なんつっても、太腿の話ですよ。アイドルの太腿。どうだ、くだらないだろう。これほど不要不急な話もあるまい。ふはっはっは。でも、息の詰まるような話ばかりで、身体壊す前に精神を潰してしまいそうな、このご時世。これくらいどうでもいいことを考えて過ごすことを提案したい。家にさえいればいいのだから。頑張って生き延びようぜ!

 

 

太腿戦略とは
バストやヒップや鎖骨ではなく、ダントツ「太腿」が気になる私。実は、女子だけじゃなく男子であろうと、なんなら子供も中高年も老人(?)の脚にも目がいっちゃう。フェチというより、クセというかヘキというか「太腿を見ればその人のことがよりよくわかる教」の信者なのかもー。
そんな私が、昔から「アイドルの太腿戦略」と呼んでる売り方がある。
「太腿戦略」とは、「グループ全員で」太腿を使って、「何か」のイメージを表現するということ。全員で!っていうのがポイント。1人ではグループ戦略にならない。

例えば、いくらソンソ(宇宙少女)がいい太腿を持っていても、

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どんなに、ヒョソン(元SECRET)が意図的に素晴らしい太腿で魅せてくれても、   

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どんなに、スンヨン(CLC )が最高にカッコイイ太腿で踊り狂ってくれても、

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一人の太腿だけでは、どうにもならないという話だ。

「太腿戦略」とは、そのグループのイメージ「何か」を「グループ全員の」脚を使って表現する。努力し、工夫し、表現することを定義としている。

しつこいけど、いかにソウォン(GFRIEND)の太腿が細く長く保険をかけたくなる美脚でも、ヨチン全員の脚を使って何かを表現しようとしたことがないので、ヨチンは太腿戦略をとったことがない、とそういう話なのである 。が。かといって、ユギョン(ERLIS)のように、限界以上に細い脚に生まれついてしまった場合は、なかなかグループ全員で太腿を揃えて訴えようというのは無理だろう。1人だけ細すぎて。いい太腿があってもやろうとしないグループ、やろうとしても実際できないグループ、いろいろあるが、そんなハードルを超えてとっても成功してきた「太腿戦略」を思い返したい。

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先駆者は少女時代~スタイリシュ脚~

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2009年だったか、少女時代は「GEE」で全員スキニーを履きこなし、美脚旋風を巻き起こした。デビュー時から脚はおしげなく出していたが、「太腿戦略」というほど意識的にやってたかといえば、全然、そんなことなかった。
少女時代のもともとのグループコンセプトは、清純。「GEE」で、想像以上にスキニー美脚が評判になったことにより、事務所はそれ以降「少女時代といえば美脚」というビジュアルイメージに執着し、強力な「太腿戦略」をとるようになる。以来、どんなに違う感じの楽曲がきても「美脚推し」というビジュアルだけは絶対に訴求してきた。
続き「GENIE」における、これまたSMらしく少女時代らしい太腿戦略が功を奏し、これで「少女時代といえば美脚」イメージが決定的なものになった。ちょうど日本初のショーケースを行った2010年夏のメイン曲がこれだった。このGINIE衣装と写真で、日本でも即、美脚イメージが広がり、少女時代のみならず、K-POPガールスは全員美脚、という認識にまで及んだ。これは大きい。本当に、SMと少女時代は、太腿戦略においては先駆者であり功労者だといっていい。

SMは、最初に決めたグループコンセプトを、曲ごと、あるいは加齢とともに、がらりと変えることをよしとしない。
どのグループも、まあ5年以上はトップグループとして活躍させるつもりでデビューさせるが、その間、ほぼコンセプトを崩さず売らねばならぬSM、その辺が中小事務所と違って苦しいところだが、事前に考え抜いてるだけあって、ちゃんと原理イメージを外さずうまく続けてらっしゃる。先駆者少女時代のグループコンセプトは「清純」なので、太腿戦略として脚を売る場合、どんなに大人っぽい曲がきたとしても、そこはセクシーやお色気になってはいけない。てことで、どんな大人路線にもフィットし、「清純」から遠くない太腿・・・。そう、それは「スタイリッシュ」だ。恐らくこれは「GEE」以降に練り上げられた太腿戦略だろうが、スタイリッシュな太腿ならば、美脚イメージを保ちつつ、大人の曲もいやらしい曲も(ほぼないけど)かっこいい曲もかわいい曲も全部いける、と。
具体的には、ベタベタしてない脚。常にサラサラで清潔で湿り気ゼロって感じ。汗臭さなど微塵も感じられない。ムダ毛もなく、汗もかかず、凸凹もなく、まるでリカちゃん人形のような、ビニール肌を強く感じる脚だ。SMが目指す「スタイリッシュ太腿」は、多分そういうビニル感を目指していた感じがする。少々、写真の補正をやりすぎて、ほぼ人間離れした、CGみたいな脚になってしまってる事例も多くあったが、この後、そういうやりすぎ補正も含めて、他社後輩「太腿戦略」が広まっていくことになる。

 

BLACKPINK~1ミリでも細く、1ミリでも長く~ 

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 ここ数年、もっとも強力に太腿戦略を展開しているのが、BLACKPINKだ。他の追随を許さない。
このグループは、元社長の「少女時代みたいなガールズグループを作りたい!」という長年の悲願を現実化しただけあって、「美脚であることを必要以上に推してくる」グループ。YGが憧れた少女時代イメージって、綺麗で上品といわれてきたが(私の中で)、ひょっとしたら、それ以上に「全員美脚」というのが目的だったのかもしれない。
どんな太腿かといえば、具体的には「どこまでも細く、どこまでも長く」。これである。実際は、いつどこでどんな条件でも脚が細いのは、ロゼだけだと思う。もう1人、リサを加えてもよい。あとの2人は、時期によってあるいは衣装によって、ひどく足が太く見える時があり、特にジスはツアーに出るとすぐ太り、常に美脚というわけではない。それをカムバ前には死ぬほどダイエットさせ、脚痩せさせ、さらにはオフィシャルの写真は、えげつない修正を入れる。当然、衣装はデビュー時からずっと太腿をきわきわまで出すものが圧倒的に多く、1ミリでも脚を細く長く見せることに執着している。。ファッショントレンドより、細く長く見えることが重要なのだから。そこまで徹底して太腿戦略をやってる点では、BLACKPINKが一番だと思う。

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藤田ニコルんと並ぶとこんな感じ。誰かと並ぶと途端に普通ぽくなる)

 

 少女時代は9人もいたので、全員が同じデザイン同じ色のスキニーを履くだけで、なんともいえぬ迫力があった。人海戦術みたいなもんである。9人18本だもの。あれは常に、概念としての美脚を見せてるだけであり、この子のこの脚になりたいとかいう具体的なビジュアルは提供してなかった。BLACKPINKは、4人しかおらず、全員違う恰好をしてることからも、団体としての美脚というより、「ジェニになりたい」とか「リサに憧れる」という個人への憧れを大事にしてるように思う。
BLACKPINKの太腿戦略には、例えば、スタイリッシュだとか清潔といった具体的な方向性は特にない。とにかく、「1ミリでも細く、1ミリでも長く」魅せられればそれでよい、というもの。これはこれでわかりやすく、潔い。


TWICE、ITZYの絶対健康主義~どんな太腿もそのままが一番いい~

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 ここは特別。TWICEとITZY、できれば別々に話したいが時間がないので、JYP組ということで一緒に。
少女時代以降、「太腿戦略」と呼べるほど意識的でなくても、どの事務所もどのグループも、一応は美脚に盛るのが当たり前となった昨今、JYPガールズグループは、珍しくそれをしない。でもそれは伝統的にそういうのがお嫌いだからだと思う。ワンダーガールズには、ソンミやヒョナという現在でも美脚女王といっていいメンバーがいたのに、そこは全然売り物にしてなかったし(最後の最後は出してたけど)MissAなどはあれだけピチピチの衣装が続いて曲もダンスもかなりきわどいものだったのに(私にいわせると)太腿はいつも無表情で何も訴えてなかった。そんな彼女たちの後輩、TWICEとITZYも、その考えを貫いている。

少女時代そっくりのジャケ写があったり、BLACKPINKと同じ貸衣装を着てたり、絶対に補正しません!てことはないが、ほぼ自然のままにしてることが多い。ここまでくると、逆に、特別な意志や執着を感じざるをえない。

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このJYP(てか餅ゴリ)の意志、「そこまでして美脚を作らなくてもいいんじゃない?」的なやり方は、逆に、彼女たちメンバーにものすごい信頼と自信があるということだ。美脚はいくらでも作れるという時代だからこそ、そして、好きなように盛れる業界にいるからこそ、「うちは本物」という自信の表れでもある。

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(同じ衣装を着てたときのBLジスとTWICEダヒョン。並べるとあまり変わらない。作られたイメージって怖いなと思う)

 

TWICEは特に、「健康的で活発で自然」コンセプトでデビューしただけあって、必要以上に飾り立てたり盛ったりするのがあわないのかも。ITZYに至っては、全員高身長でリア以外全員がメインダンサーというほど、ボディそのものと身体能力がすこぶる高い。そのまま見ていただいても負けない程の自信かあるのだ。人間なので、太ったり痩せたりむくんだりするのが当たり前、うちは過剰な修正はかけませんというやり方は、それはそれで、逆に「太腿戦略」と呼べるのではないかと思う。

歴代JYPガールズグループが、女子だけでも男子だけでもなく、わりと偏りなく愛されるという理由は、こういうところにもある。


AOA~ヤンキー寄りのコンパニオン脚~

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次いこう。AOAは、最初バンド形態で頑張ってたが、それをやめて、美脚路線を始めた途端、売れだしたグループだ。
ここの太腿戦略は、スタイリッシュありセクシーあり、POPもレトロも元気路線もあり、う~んひとことでいうとなんだろうと思っていたが、ある時、「コンパニオン」であることが判った。満足だ。
常に生足(に見える)を訴えるSISTAR姐さんとは逆に、AOAは、常にストッキングを履いてるような脚に見える。パンストの時もあるし、かなりデニールの大きいタイツみたいな時もある。ヒールであろうとスニーカーであろうと常にストッキング着用ということで、コンパニオンだ。これは古い概念で今はそんなことないのかも。と思うが私自身が古い人間なので仕方ない。悪いけど、「その特徴はもーーコンパニオンやないか!パンストにスニーカーといえばコンパニオンしかおらんのやから。コンパニオンに決まりよ!」とミルクボーイにいわれた気になってほしい。本当にそう思えてくるから。そう思って見てみると、どの曲の衣装もどのメークも、見事にコンパニオンのそれである。あと、AOAは当初からなぜかヤンキーぽいので、ヤンキー寄りのコンパニオンということでいいと思う。楽屋で喫煙してそうな雰囲気もコンパニオンぽくてピッタリだ。
FNCという事務所は、男も女もとにかくしつこい。売れるまでしつこくしつこく、食い下がって勝負し、なんとかして売れてやるとど根性でクソ頑張り、遂には売れてしまうという執念しゅうねん執念の事務所。もちろん本人たちの努力も根気も相当だろう。そういう根性とか頑張りとかいった姿勢もヤンキー寄りだし、ここの太腿戦略には、そういう根性が感じられる努力を感じる。面白い。

 

SISTAR~湿り気抜群、セクシー生足~

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さて、そのSISTAR姐さんである。

SISTARは、MAMAMOOと同じく、本質的には、アイドルというよりはボーカルグループといえるので、すごく歌がうまい。こういう本格的な歌うまには、実年齢以上に、大人っぽい曲や大人っぽいビジュアルがピッタリはまる、と昔から決まっている。だから、当然「太腿戦略」やるなら、大人の女。セクシーな女、路線になるのだろう。(ちなみに、MAMAMOOは、それぞれメンバーが好きなファッションがあってこだわりが強いらしく、ビジュアル選びや衣装は本人たちにある程度まかせてるらしい。つまり、グループとしての戦略は皆無)
具体的には、すごい湿度である。夏であろうと冬であろうと、ビチョビヨである。当然、生足に間違いない。少女時代のサラサラ感に比べて、SISTAR姐さんたちの湿り気ったらない。すごく肌呼吸してそう。写真だけじゃなくて、テレビなどで見ても、ちゃんと湿度を感じられたのですごいと思っていた。本物のプロだと思う。そして、姐さんたちは、常にすごいヒールを履いていた。たしかに、典型的な大人のセクシー太腿を完成させるには、ハイヒールやピンヒールは必須アイテム。あれだけ踊るというのに、セクシー脚のために、何センチか知らないが相当高いものを履いていた。あっぱれである。転ばずに歩くだけでも大変だろうに、大けが覚悟で、我々にセクシー生足を長年みせてくれて「ありがとう!」という気になる。本当にありがとう!
実は、私は、SISTARのことはよく知らない。知らないし、解散後も見直してないので、偉そうにいえることは何もない。この辺にしておく。

 

と。お気づきかもしれないが、これらの事例、ITZY以外は、かなりのベテラン(あるいは解散してしまった)グループばかりである。
そう、最近は、気合を入れて「太腿戦略」をやってくれるグループがあまりないのだ。ガールズグループ自体の個性がここ数年薄まりつつあるので、太腿がそんな憂き目にあうのも仕方ない。TWICEとかITZYみたいな理由ならいいのだが。てか、あれはあれで独自の太腿戦略なわけなので、純粋にパワーが弱ってるんだろうなあと思う次第である。

しかし、何事にも流行があって、今は10人前後の大グループが流行らないと同じように、そして、全員が制服のように同じ衣装を着るのが流行らないように、太腿も過剰に調整して統一して意味を出す、みたいやり方が流行ってないんだと。そう思いたい。

ちょっと期待してしまうのが、SMの新ガールズグループ。

f(x)もRedVelvetも、デビューした時は、先駆者・少女時代がまだ活動していたので、1つのことを被らせるのが嫌いなSMだけに、太腿はなんともできない領域だったんだと思う。えぷは全員いい脚をしてただけに本当に勿体ないことであった。

一周回って、また少女時代なみに気合の入ったグループ、お待ちしてます。あ、あと他事務所ももっとやってくれーー。


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