お留守番のあとに。

RIIZEあれだな、ほんとに「昔っぽい」曲しかやらない主義なんだな。

【PENTAGONとSF9】1位歌手より、ワールドツアー!

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「PENTAGONとSF9、どちらが先に1位を獲るか」というお題。もう随分前、うーん2年?くらい前の話でその後忘れてたんだけど、この度ふと思い出した。
この2グループは、ほぼ同時期デビュー(16年10月)。メンバー人数(10人と9人)といい事務所規模(CUBEとFNC)といい、カムバのタイミングから、日本デビューや全体活動内容、元SM練習生がメインボーカルだとか、すごく身長高い子がいたりするというとこまで似てて、世間でもよく比べられていた。何よりどちらの人気も勢いがあったので「いずれどっちも1位歌手になるんだろうなぁ」と思ってた。

しかし、そうはならなかった。19年春現在、どちらもまだ1位は獲っていない(ですよね?なってたらごめんなさい全力謝ります)。

 

PENTAGONに関しては、イドゥン脱退退社を理由にする人がいるだろうが、それはあまり関係ない。もちろんあれで、応援する気持ちを無くしたファンが大量に出たのは事実だろうが、それをいうなら、むしろ、17年PRODUCE101(WANNAONEが出たやつ)の折、CUBEが余計なプライドを振りかざして路線変更を強行、バカ売れするチャンスを自ら棒に振ってしまった事の方がはるかに罪深いし被害はデカかった。あの時、順当にやってればひょっとしたらWANNAONE並に売れてた可能性だって(ちょっとは)あったはず。でもまあ、そんな絶対的マイナス状況から、ちゃんと持ち直して、いい曲を作りいい活動を続けられるという点こそ、会社とPENTAGONの底力といえるわけだが。結果からいうと、1年くらい遠回りをさせられて時間とエネルギーを喰ったけれど、PENTAGONというグループとしての魅力や実力がよくわかった出来事となった。なので、1位を狙えるグループとしての位置はなんらかわっていないと思う。なんつーかこう、CUBE所属グループって、会社のディレクターやプロデユーサーがアイデア出したりイメージ作ったりして張り切って仕事してる間は、マジでロクなことなくて、4MINITESにしてもBTOBやCLCにしても、会社の人(誰か存じませんが)が匙を投げて「もういいわー君らの好きにしたらいいわーお金出すから勝手にして~」と突き放した瞬間から、バカ売れしてトップグループになっていくという・・・なんともいいがたい変な会社だと思う。どんな修行やねん。最初から「私の好きにさせてくれるなら」がお約束のソヨンのグループ、(G)IDLEがCUBEにしては珍しく最初からとばして売れてるのは、社のディレクションが入ってないからに間違いなく、CUBEもいい加減その辺を学べばいいのにといつも思う。頼むから黙ってろ。PENTAGONだって、もっと早くから好きにさせてれば、こんな苦労することもなかったのに。あ、その話は今どうでもよくて、要するに、PENTAGONは、デビュー時も勢いあってよかったけど、そういうキラキラした魅力的なダンスボーカルグループの枠から、修行に堪えて耐え抜き、知恵をつけたことで、今や自分たちで自分たちらしい楽曲や活動ができるポテンシャルの高いグループになってると。単純に歌やダンスのスキルが高いし、覚醒してからのセンスはフイならではの独自性が高く、容易に真似できない心に刺さるものがあるので、もっと評価されるべき、もっと売れるべきと思う。

そして、SF9。こちらは対照的になにひとつ、何1つとして間違ったことをしてきてない。
もうお手本といっていいダンスグループづくりだと思う。トップアイドルになるためにやらねばならぬこと、やるべきことは着実にやってきたし、毎回アルバムイメージも、計画的で芯のあるヌケのないイメージづくり、ブレないコンセプト、楽曲、歌詞の選び方から衣装その連携まで、ほんとに見事。こういうのをA&Rが優秀というのか。しかも、無駄に同じことを繰り返してる(ように見えたかもしれないけど)わけではなく、わりと、最短距離の線を拾って、無駄なく不足なく、きっちりやってるイメージが強い。FNSは、ダンスグループとしてのボーイズを初めて手掛けたわけだが、本当によくマーケティングしてるなと思うし、中長期的な計画についても実に考え抜いてると思う。
デビューしてからずっと続いてたダンスナンバーは、いろいろな曲調があるにせよ、レトロ&コミカルで、ご陽気な雰囲気を信条としてきた。デビュー曲の、昔ディスコちっくアナログちっく満載な「Fanfare」に始まり、スパニッシュなのかメキシカンなのかイタリアンなのかごちゃ混ぜの「Osole mio」や「MANMAMIA」まで。アプローチとしてはざっくり、まんま昭和だ。イメージを突き詰めるのではなく、いい意味で適当に消化してデフォルメする昭和アイドルソングのアプローチ、嫌いではない。てか、そこまでアイドルらしいアイドルソングを何曲もやってくれる教科書的K-POPグループ、ほかにあるかよって話だ。これは評価しないといけない。だって、アイドルなんて大衆文化なんだし。アーティストじゃなくてアイドルなんだから。そして、それを2年続けたところで、マンネ2人をセンターに起用し「Now or Never」でどっとセクシー路線に突入。これがまた、見事なまでに黄金のアイドルメソッド。あの、金髪マンネだったフィヨンを、前髪ロングもじゃもじゃパーマに変身させた英断はファンでなくても評価すべき。昭和センスの素晴らしさを感じる。この曲も次の「Enough」も楽曲ビジュアルパフォ共に、過不足なく見事なセクシーダンスナンバーになっていて、中身がちゃんと伴ってるところが一番素晴らしい。なんという戦い方、なんという正しい戦略、正しいコンセプトづくり。なに1つ間違えたことがないSF9。FNCのディレクションを褒めたたえたい。

 

それなのに。そこまでやっても。というべきか。どちらも1位にはなれないわけである。まことに残念だが、それが現実ということだ。

SF9、社としては本気で、去年「Now or Never」で、初の1位を獲りに行ったのだろうしPENTAGONも「SHA LA LA」で、ひょっとしていけるのではないか!?という空気があったと思う。でも、ダメだった。それではまだダメなのである。

私は、ランキングやデータなど数字の一次資料を見ないので、実際どれくらい売れてる売れてないはほんとは知らない。歌番組の1位にしても毎日チェックしてるわけじゃないし、あとで調べるわけでもないので、えらそーに1位どうとかほんとは書けない。なので、なんとなく売れてるなぁ!っていう雰囲気もんの話してることを容赦願いたいのだが、その雰囲気もんでいうと、えすえぷもぺんたも「あともう1歩か2歩?!」くらいのとこではなかろうか。いいとこまでいってると思うんだけど。そして、何が足りないとか、ここをこうして、これさえやめれば、とかそういう話ではないと思うのだ。そうではなくて、1位になってもなんら不思議でない曲・グループだけれど、たまたま、その時期、ほかにもっと優れた曲・グループが(いつも)いただけ、ってことだと思う。

つまり、1位になれないのは、彼らの問題(だけ)ではないと。PENTAGONもSF9も、ひと昔前だったら1位獲ってた。1回は獲れてた。どう考えても、それくらいの質だし、それくらいのレベルだし、評価も人気も支持もついてきてた楽曲だったので。もっというと、彼ら以外にも「これくらいの曲だともっと1位になってしかるべき案件」がめちゃくちゃ最近は増えた。直近だと、CLC「NO」とか、StrayKids「MIROH」などは、かろうじて1位は獲得してるけど全然物足りない。あんなもんじゃないと思う。楽曲もパフォも何をみても、それまでの活動とは一線をひくような、格別にレベルの高いものを出してきてて、もっと1位を獲ってないといけない感じがした。1位案件なのに1度もなれてないグループもたーくさんある。最近ほんとに難しいのだ。

これは、単純に全体のレベルが上がったということだろう。常に、同等以上、もしくははるかにレベルの高いグループが活動してる状態ってことだ。有り体に言えば、「これくらいの楽曲、これくらいの活動じゃ、今は1位にはなれない」ってことかと思う。

そうなるとだ。これ以上はムリ!てくらい頑張ってんのに、まだまだ足りないとなると、何を考えるかというとだ。当然だけど、海外に出ていくことを考えるわけだ。それが自然な流れ。そりゃそうだ。てことで、SF9もPENTAGONもワールドツアーだ。

 

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ひと昔前なら、なんとなく、韓国はもちろんアジアを制覇した1位歌手だけが、満を持してアメリカやヨーロッパに挑戦する!って感じだったのが、今はBTS様が風穴あけたおかげで、そうではなくなった。K-POPアイドルグループは、どこもレベルが高いので、1位どころかベスト10や20当たりでも、実力&魅力あるグループだらけ。「私の国に来てほしい!いっぺん見てみたいわ!」と本気で思ってる人たちが海外にいっぱいいるのに、無理して頑張って韓国の歌番組にタダ同然で(いや持ち出しの方が大きいかも)出て、悔しい思いをしてる場合ではないのだ。行きましょう行きましょう、アメリカでツアーしましょう!ヨーロッパも行きましょう、ワールドツアーいきましょう!という考えになるのが自然な流れ。

 

そういえば、今、SM(NCT127),JYP(TWICE),YG(BLACKPINK)の3大事務所は、全部ワールドツアーやら北米ツアーやらの真っ最中とかこれからやるところなのであった。。もちろん、新興勢力BigHit(BTS)も、相変わらずアメリカのテレビ番組やらアワードやらにしょっちゅう出ておられる。すごい時代になったものよ。SJとかがツアーするのとは全然違う意味で、K-POPは既に新しい時代に突入していたのだった。

 圧倒的1位歌手であるBTSやTWICEが海外に出ようとするのが至極真っ当だとしたら、「何回か1位になりました」というグループ、あるいは「1回くらいは1位になったことありますよ」というグループだって、同じように考えるだろう。そして「1回も1位になったことないですけど、いつも惜しいとこまでいくんですよね」というグループだって、実力が劣ってるわけではないし人気だって十分あるわけなので、やっぱり同じように、海外に出ていく。そして、今後もっとも注目すべきなのが、「え?韓国の1位?そんなもん最初から俺ら別に・・・」とでもいいたいのか、最初から無駄な過当競争を見限った新人グループ(ATEEZとか)までもが、早くからワールドツアーを堂々とやろうとする、ちゃんとやれるってことだ。新人であろうとベテランであろうと、海外では関係ないので、需要さえあれば全然行けちゃう。てことだ。その辺すごいと思う。BAPみたいに早くからワールドツアーばっかりやってたけど、それ全部ハッタリだった(大赤字)っていうオチはないのだ今は。そして、海外での人気の方がもっぱら高いといわれるグループ(LOONAとかRedVelvetとか)が、なんか違う策を練ってる雰囲気が漏れ伝わる一方、「いやいや欧米は広すぎて疲れるので、うちらは市場規模では一歩も劣らないニッポンに特化して攻めたおしますよ!」っていうグループ(SEVENTEENやOhMyGirlやテミン)もたくさんいると。てことで、いずれの場合にしても、これじゃあ韓国内1位へのこだわりや頑張りが、どんどん薄くなってるよなぁという感じがする。

 

1位になるには、なんといってもファンの方々の手厚いサポート作業が必要なのだが、韓国内の消費者数だって有限だし、そもそも1位にになったからって、目に見えてギャラが上がるとか宿舎が豪華になるとか、1年間の安泰が保障されるとかってわけじゃなさそうだし。別に海外に仕事を求めなくても、1位になることを見限るグループが増えていくのは仕方ない。

だけど、そうなるとこっちとしては単純に楽しみも減ることになる。

私にとって、何よりも哀しく恐るべきことは「初めて歌番組で1位になった時のアイドルたちの大号泣シーン」が見れなくなるかもということだ。こんな悲報があるか。考えただけでも寂しい。あれ、好きな人いっぱいいるでしょ、絶対いっぱいいるはず。いつもはニコニコしてるアイドルたちが、一斉に抱き合い嗚咽をあげて号泣する場面だけでも、相当もらい泣きできる大イベント。その辺のしょうもない邦画の2千倍くらいは泣ける。お金を払ってでも見たい貴重なシーンなのだ。

私は、「1位号泣シーン大好き芸人」とまではいえない人間だが、まったく知らないグループにでも余裕でもらい泣きできるし、「ぐっときたベスト10」を考えるのも好きだし、あれがなくなると本当に寂しい。しゃがみこんだが最後二度と立ち上がれない人(VIXXレオさんです)とか、もっともしおらしく女性らしい泣き姿が大絶賛された人(AOAチョア様です)とか、全員泣きすぎて声が出ず全くスピーチできなかった異様な10分間(最終形Tiaraです)とか、驚きすぎて全員コケシのような塊になってしまった人たち(4人にゅいすとです)とか、本当に忘れがたい名場面がいっぱい。せぶちのクプス・ホシ・ウジ3人だけがまるで滝のように泣きまくってたのも懐かしいなあ。1位にこだわらないとか、1位になっても出演しないとかになると、そういうシーン全部なくなるわけでしょ。そのうち、歌番組のランキング自体、そして歌番組自体がなくなってしまったっていう日本の例もあることだし、そんな流れだけはやめてほしい。

PENTAGONとSF9が、2年半ずっと頑張ってきたのに、韓国で思うように1位になれないまま、このたびワールドツアーを始めた、っていう話を聞いただけで、秒でこんくらいのことまで考えてしまった。まあ私の考えすぎなんですけど。そこまで決めつけて悲観的になることないけれど、K-POP新時代はいろいろなにかと感慨深い。今回は、自分が特に思い入れが深い2グループのことだけを書いたけれど、同様のグループがうしろに山のようにいると思う。そういうグループも全部同じ。

思うように1位になれないからって、儲け損なうことはないし儲けようとするのは仕方ない。ただ、それとは別に、思うように1位になれなかったからこそ、それだけに、遂に1位になれた時の大号泣ほどすごいものはないわけで。そらもうこっちももらい泣きのレベルがものすごいことになると思う。それを思うと、やっぱり、なんとか韓国で1位獲るの諦めてほしくないなあ。ほんとに。

実際、どうだろう。解散とか活動休止までの間、どちらかが1位を獲るような事があるだろうか。やっぱりもう無理だろうか。正直わからない。もうちょっと時間あるよね。どっちでもいいから、やっぱり1位になってほしいかも。そして、ここぞとばかりもらい泣きさせてほしいなと思う。泣いてみたい。