お留守番のあとに。

正直ミン・ヒジンもパン・シヒョクも好きじゃないので、どうでもいい。

【NCTとSVT】度肝を抜く日本デビュー曲!日本活動のあり方が変わるか。

いやー。1億年ぶりにMステを見ました。

そしたら、いきなりTWICEが、What is Love韓国版を普通に歌ってたり、噂のキンプリが想像以上に凄まじく(!)キラッキラしてたり、てか、かのジャニーさんがさっきリハ見に来てたねっていうレア情報をタモさんの口から聞けるのが案外嬉しかったり、かと思えば、はや50代に突入してるTOSHIさんの歌声が相変わらず、ツヤと伸びのある素晴らしいものだったり。。。。と、なにかと驚くことばかりでですね、いやーやっぱり、ニッポンの生放送音楽番組、すごいっ!あれをもう何十年も生でやってるなんて!ニッポン素晴らしいっ! 

 

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さて、なにかと素晴らしいそんなニッポンの歌謡界。
そこへ、今年遂にデビューしてくるK-POPアイドルが多くて興味深い。いや、これまでも多かったろうし、毎年いつも多いだろうけど、今年は、あちらでかなり名を成すグループが満を持して次々に乗り込んでくる!という感じがするのです。
具体的には、NCT127、SEVENTEEN、ONFとか。女子は、GFRIEND,APRIL,EXID,MOMOLAND、RedVelvetなど。昨今は、早い時期から日本デビューするグループが多い中、そうではなく、まずはひたすらソウルで頑張ってから日本デビューしてくるというのは、まあ、たまたまかもしんないけど、やっぱり、いろいろと深読みしたくなる。それというのも、特に、この男子グループ2組。ヨチンやMOMOLANDのように韓国タイトル曲にそのまま日本語詞をあててくるのとは違い、日本オリジナル曲をかなり模索して、気合もお金も時間もエネルギーも人手も使って準備してきたな!と思わざるをえない曲だったから! です!

 

そうです。

NCT127「CHAIN」そしてせぶち「CallCallCall」を聞いて、私は相当驚いたのです!

双方とも、デビューすると聞いたときは「うむ。なるほど」と思いましたが、デビュー曲がまさかこんな感じになるとは全く思いませんでした。こういってはなんですが、2組ともあちらでは、ものすごくはっきりしたカラーを持ったグループなので、それをそのまま日本に持ち込むような危険な真似はよもやしないだろう、可もなく不可もなくふつーに明るくて元気なポップスで来るんだろうなと高をくくっていたのです。いやもう、ほんと嬉しい誤算です。

 

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 NCT127は、多分去年の夏「CherryBomb」直後くらいに日本デビューを含む今後1年間の活動方針が決まったんだと思います。だからこそ、あの時期の悠太の「俺らだけを信じてついてきてほしい」発言であり、「来年はもっとずっとたくさん会えますよん」発言だったのだと思う。てことは、夏からほぼ一年ごしで、日本デビューに関しての準備(日本側のスタッフとも相談しながら)をやってたということですが、そのほとんどが事務方のことではなくて、日本ではどういうグループコンセプトで売るのか。どんな曲でいくのか。どういう活動をするのか。っていう、概念的な模索じゃないか。と「CHAIN」聞いてて思いました。まあ、それ考えるのは、メンバーじゃなくて、上のプロデューサー以上の人たちでしょうが。

 

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あれは、どこの誰がどういうイメージで作った曲か知りませんが(知らんのかい)、本国でのNCT127グループコンセプトとさほど変わらないのが本当にすごいのです。がっつりドサ廻りさせられたShineeでさえ、さらに、かなりブランドイメージと人気が出来上がってたEXOでさえ、日本オリジナル曲は「う~ん。全く違うイメージじゃないけど、これはなぁ…」というビミョーな乖離から逃れられませんでした。ちゃんと、韓国でのNCT127コンセプトを再現させつつ、さらに、そこに日本歌謡界向けのフレーバー(コードが動くなど)も隠し味的にちょいとふりかけときましたよ!という細やかな芸当が見事なのです!なかなかイキなことをするもんですな!やっぱりやればできるのにわざとしてこなかっただけなんですね。NCTグループは、韓国でもそのグループコンセプトが難解すぎて理解されがたいことで有名なのに、日本市場でまた違うことをしだしたら収拾つかんという事情もあったのでしょう。SM初の日本人メンバーがいることは関係ない。アルバムも本当に良く練られてまとまっており見事だと思いました。うまいこと正確に狙った通りの曲って書けるもんですね。すごいわ。

 

 

そして! なんといっても、SEVENTEENです。

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いやーーー。私は、もともと、韓国人がいくらお上手な発音で日本語の歌を歌ったところで、BoAや東方神起のように実際に長く住んでみないと、細かな日本語のニュアンスとか人々の気持ちの背景などわかるわけないんだから、「ちゃんと意味もわからない人に日本語で歌わないでほしい」「もう、ほんとに韓国語で歌ってほしい」と、思って生きてきた人間です。そんな強い気持ちで生きてきた私を、この「Call Call Call」という曲は、一撃!でぶっ飛ばしてくれました。
いやもう、すごい迫力。有無をいわせぬ疾走感。これ、完全に日本人による日本語のアニソンじゃないですか。このまま、どっかの番組のテーマ曲獲れるよ。映画の主題歌もできる。なんというキャッチーな曲なんでしょう。一度聞いただけで「どんな時も味方っさー♪」「今すぐ電話してぇ~♪」のフレーズが頭から離れない。もう歌える。すぐ歌える。すごいよウジ先生ホシ先生。一回で覚えられるのは、よくできたアニソンよくできた演歌の特長ですが、それは起承転結がはっきりしている段組みと、合いの手が入れやすいメロディーの取り方、あと、歌詞の譜割りがポイントなのです。それ全部が完璧にクリアされていて、実に見事。当然歌うまいし。スングアンやっぱ上手いなー。ちょっとやりすぎくらいなので、日本人だとここまで恥ずかしいことはできないかも。アルバム聞いてないけど、ハイライトゥは入れても泣きたくないは入れない、とかやっぱ一本筋が通っててなるほどと思う。せぶちは上層部というよりはメンバーたちが直接会議して作業して戦略も曲も決めてるのだろうから、ほんとにすごい。よくやった。プレディスジャパンはもうせぶちだけのレーベルにした方がいい。


ということで、こうやって考えてみると、奇しくも同時期に日本デビューしたNCT127とSEVENTEEN。どちらも、韓国でずっとやってきたグループコンセプトを一切曲げることなく、わかりやすいとこだけぎゅっと圧縮しつつ、初めての日本人にもよく伝わるように工夫して作りあげた楽曲とMVで、勝負してきたというになりました。これは、偶然っちゃ偶然かもしれないけれど、やっぱり、冒頭のTWICE(日本のテレビ生放送で韓国人グループが持ち歌を韓国語のまま歌ったの初めてなのでは?)とか、全部ひっくるめて考えると、少し流れが変わってきてるのだと思います。つまり「もう、一緒でいいんじゃないか」ってことかと。これ、すごいことですよ。


これまで、日本市場には日本市場向けの、オリジナル路線によるオリジナル曲を作らねばという風潮があって、それは、既に韓国活動に詳しいオタク層ではなく、むしろそれ以外の、てんで韓国には興味ない一般日本人をターゲットにしてきたからです。まあそこには大人の経済事情があってのことですが、でもその前に内容ですよ、路線も曲も、すべからく「本国よりも鈍く、そして緩く」作られることが多くてそれが問題だったのです。そこらへんが、オタク層に日本デビューや日本活動が嫌われる原因でした。そのアイドルは好きなのに、ソウルまで見に行くくらい好きなのに、でも「日本デビューはしなくていい」的ネジレが長らくあった、それほど本国と違うことをしてたわけで。ある程度考えたあとが見られればいいけど、見るからに出稼ぎ小遣い稼ぎとしか考えてない適当すぎる日本活動を見せられた日にゃ、そりゃオタクも萎えるってものです。あちらとしては、外資獲得でやってて、恐らく、韓国でやってることをそのまま持ち込んでも、とても理解されがたい→とても流行らない→とても売れないという考えがあったのでしょう。もとより、日本人のアイドルの好みや音楽の流行が、韓国とは明らかに違うと思われてたのが原因でしょう。実際、ちょっと違ってた部分も大きいですし。

 

しかし、K-POPそのものの日本での定着が、ひと昔とは全然違います。
K-POPに日常的に触れて楽しんでいるひとの人口は、かなり増えてるはず。皮肉なことに、地上波が韓国のコンテンツを締め出したおかげで、逆に、バイアスがかかった日本独自の売出し作戦が一旦みられなくなり、K-POP好き層を、ダイレクトにソウルに向かわせることになったのでは。わざわざ日本活動を経由することなく直接、韓国人と同時刻同内容で直接アイドルを摂取し享受する人がさらに増えていったわけです。今じゃ、日本人中高生が、来日したアイドルのコンサートに行くのは全然普通だし、そこからソウルへオーディションを受けにいく子まで普通に出てきた時代です。中高生から中年層まで裾野はぐーんと広がって、一般層への理解もすごく進んだと思います。「いえ、私はTWICEが紅白に出るまで韓国グループ全然知らなかった」という層も、そこから、TWICEって韓国ではどんな活動を?と思ってそっちも見てみる、みたいなことが実際起きてるでしょう。加えて、BTSがアメリカで成功したという既成事実に日本マスコミが食いついてることも大きい。なぜなら、アメリカで今大人気!っていうフレーズは、なんだかんだ戦後から日本人には一番響くフレーズであり、アメリカで流行ってることは世界で流行ってる気がしてしまうしそれが正義な気がしてすぐ受け入れちゃうから。どんどん増えてると思う。

 

そういうことが、年々ちょっとずつ進んできた結果として、いつのまにやら、「日本には日本独自の奇抜すぎないグループカラーで売り出さないといけない」という配慮が不要になってきたのでは、と思うのです。BTSのおかげで一般層の見方も受け入れ方も変わりましたし。韓国でずっとやってきた自分たちのコンセプトそのまま出しても大丈夫、という時代が遂にやってきたんじゃないでしょうか。
「CHAIN」も「CallCallCall」も、かなり考えたんでしょうが、いま、実力ある2グループが同時に思い切った勝負に出たのは、意義深いし面白いことです。


そして、こうなると、がぜん気になってくるのが、今後のことです。

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とりあえず、デビュー4年のRedVelvetがどうなるかが気になります。SMでは、結局、f(x)の日本デビューに2度ほど失敗したまま今に至ってるので、余計にれっべるちゃんがどんなデビュー曲にするのか気になります。かなりコンセプト強め、きつめのグループですからねえ。BLACKPINKが強め女子で売り出してるっつっても、れっべるちゃんとは全然方向性が違いますし、制作する側の難しさでいうと、当然れっべるちゃんのグループコンセプトの方が、格段に難しいわけですから、その分、決まったときのカッコよさとかわいさは、えもいわれぬレベルになるはず。ここは、思い切って、NCTに続いて、チャレンジしてほしいところです。本国と同コンセプトを壊さないようにうまいこと作りこんでデビューしてほしいです。

あ~~でも、NCTもRedVelvetも、MOMOLANDみたいに曲1つでビッグヒット!というよりは、何曲も何曲も何回も何回も活動を重ねて、その世界観をじわじわ伝えて脇と裾を固めるタイプなので、どっしり腰を据えて日本活動する覚悟がないと、やっぱ難しいのかなーー。そんな余裕があるかしらと、あれこれ要らぬことを考えてしまいます。

 

まーとにかく、こういう動きが出てきたことはいいことに違いないですよね。これで一斉に、どのグループも「わかった!じゃああとに続く!」とはいかないと思いますが、ちょっとずつでも増えていくといいですよね。で、最終的には、欧米もアジアも全部一緒になるといいですよね。単純にわかりやすくていいじゃないですか。てか本来そうであるべきですよね。あれ、日本だけが違ってたのかな。マニアの中のマニアの方には、つまらないかもしれませんが。そのためには、まず、この2曲。この2組が日本で売れること!です。後に続く人のためにも、そして、いろんな意味のためにもこれは売れてほしい。

 

売れてほしいわーーーー頑張れーーーー。