お留守番のあとに。

どぼいじゅ、次こそ、しょうもない曲が来そうでおろおろしてしまう。

【NCT2018】これは壮大なる「やっつけ仕事」ではないのか。次こそが大事。

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NCTが巻き返しにかかってる」という(自分の中の)声を聞きつけ、「えっ、そうなの」と急いで現場に戻ってみると、なんだかすごいことになっていた。これぞ一大プロジェクトじゃないですか。NCTに限らず、SMの一番若いグループの話をするのは、最初2~3年はとても面倒臭い作業なので、あまり書かないようにしてる私。だが、そんなこと言ってられないほど、今回は風呂敷がとても大きく、気合が入ってる大プロジェクトらしい。あちらがこの2年間の大決算をここで一気にかましてくる覚悟なら、こちらも勝手にこれまで感じてきたあれこれメモを一気に書き留めておこうと思う。アルバムが出てからではなんかこれまでのことを忘れてしまいそうなので。

 


巻き返しとは。

 「巻き返しにかかる」「取りこぼしを回収する」と(私に)いわれてしまう理由は、簡単だ。ざっくりいうと、「ずっと評判が悪かったから」だ。そこそこ売ってるし1位も獲ってるし新人賞も獲ったが、評判とはそっち方面のことではない。
16年1月に発表されたNCT構想のコア「開放性」「拡張性」(随時メンバーを組み合わせて活動する)が、想定以上に大衆やファンに受け入れられず、ここまで来てしまったということだ。曲や衣装ではなく、「メンバーを固定しない」という活動原則が、韓国アイドルグループの歴史において特殊だった為に、「応援したくともこれじゃ応援しづらい!ツライ!」というファン側の強い叫びと、「いやいやNCT全体を箱推ししてくれたら必ずそこはクリアできるはず!踏ん張れ!」というSM側のしぶとい意地、この双方が2年弱1ミリもにじり寄ることなく睨み合った結果、この2018年3月という地点がその臨界点だったということだ。もうこれ以上やると、共倒れしかねない。ギリギリだ。よってこの判断この時期、私は正しいと思う。
ファンというのは、自分の推しを365日ずっとよそ見せず、ひたすら見てることに命かけてる生き物。「次の活動にはいないかもしれない」「次のユニットには入ってないかもしれない」という可能性があるだけで、ただそれだけで、不安で不安でおちおち応援してられんわ!ていう、そういうオタク心理を少しだけ甘く見ていたフシがある。オタクの闇はSMが思うずっともっと、深かったのである。

 

SMルーキーズとはなんだったのか。

とはいえ、SMとて長年アイドル作りに成功してきた古株最大手。そんなオタク心理をまるきり知らなかったわけじゃない。

ある程度、いや、かなり「開放性」「拡張性」の(ファンにとっての)ヘヴィさを理解してたからこそ、対策を講じる必要は当初からわかってたはずだ。そして、その保険として考えられたのが、かのSMrookies14B?15B?いわゆる「SMルーキーズのファンダム」だったのでは、と私は思ってきた。

将来、NCTに入れるつもりの有力練習生を母数集団として(それこそ)固定し、デビュー前からできうる限りのPR活動と公演をさせ、SMrookies全体のファンダムというものをデビュー前に作っとこうとしたのだと思う。そこまでしておけば、晴れて正式デビューしたNCTが、仮にとても応援しづらい無茶なシステムだったとしても、ファンは離れることも否定することもなくずっと応援してくれる、と考えたのではないか。

これ、普通に考えてみると、そんなにおかしな考えじゃないようで実はとてもおかしな考え方で、その証拠に、実際蓋を開けてみると、ルーキーズのオタク側に、その究極の目標を「ルーキーズメンバー完全体でNCTを見たい!」という夢をむやみに植え付けただけの格好になってしまった。完全体とは、臨機応変自由に組織したいSMにとっては、真逆の現象で、NCTでは絶対やるわけにいかない。折角、時間もお金もかけて用意した、「SMルーキーズのファンダムが、NCTの保険になってくれる」仕組みづくりは、結果からいうと、一般的にはある程度効果あったが、オタク界隈では、ねじれた心理を植え付けだけで失敗に終わった。オタクとは、どこの世界でも「完全体」とか「コンプリート」が心底好きなので、それは永遠に諦められない夢だろうし、これが叶わなければオタクをやめるほどの強靭さなので、SMはこの点において勝ち目がなくなってしまった。

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 「お前らの欲しがってるの、こういうやつだろ~~?」

NCTU、127、DREAM、が出そろって1年半。この1年半で、ルーキーズ時代のファンは、上記のような状態になってしまったけれど、
が、NCTには、ルーキーズ時代を知らない新規ファンや、単純に音楽が好きな音楽マニアのファンも数多くいるので、これがSMじゃなく中小事務所だったら、間違いなく、昔からのファンをばっさり切り捨て、新規ファンだけでやってけばいい話だ。全然問題ない。

が、SMの場合は、今だけじゃなく、2年後3年後5年後もコンセプトを変えつつ、ずっと売れ続けなければならない宿命を背負っている。数年後デビューしてくる後輩グループ含め、先輩も後輩も男子も女子も全グループが売れてないと許されない。その為「今だけ売れてればいい」などという一過性の支持を選んではいけないのだ。何があってもずっと応援してくれる人たち、先輩も後輩もファミリーごと推してくれる人たちを大事にしないといけない。昔からのファンであるルーキーズファンダムが声を大にして、「応援しづらいので固定するか、完全体で見せてくれるかしてくれ」というのなら、今のSMは、その声に従うしかないのである。

 

そんなわけで、ついに始まった「NCT2018」。
NCTは、従来のSMドルと違って、ユニット制を布いてるので「完全体で頼む」いわれても、こういうスペシャル的なアルバム形式をとるしかなかったんだなあ。よく考えたなあと思う。アルバムには、総勢18人でやる曲もあるだろうし、3ユニットの楽曲も入るだろうし、せぶちみたいに、ここだけの組合せユニットとかもあるのかも。クリスマスアルバムのような、25周年記念事業のような、あるいは、年末のSBS歌謡大祭典をNCTだけでやってる番組みたいな、そんなスペシャル感プンプン漂うアルバムになるんだろうなあと思う。

問題は、その楽曲とビジュアルの方向性だ。
アルバム発売前から既に積極的に活動しいる先行3曲(3ユニット)に関しては、その「誰にでもわかりやすいかっこよさ」(つまりダウングレードっぷり)がはんぱない。
そもそも、NCT戦略の音楽的指標は、HipHopを本格的にやっていきたいということ、高度にオシャレで先進的で前衛的な音楽を開拓したいということだったが、このような経緯なので今回はとにかく、わかりやすいカッコよさ美しさに特化してきた模様。「わかりやすさ」最優先。顔、衣装(振り)、曲の3本柱すべてにおいて、前衛さと先進さ要素をひっこめ、ただただ、ふつーにかっこいい曲とふつーにかっこいいビジュアルを選んできた。

「SMがその気になれば、こんなもん簡単にできるんやで」と、噛んで含まされてる気もするし、「お前らが~~望んでるのは~~ほれほれ~~こういうことだろぉ~~ああ?ほら喰いつくがいい!!」と少々バカにされてる気さえする。それくらい思い切って来てる。でも、バカにされようが噛んで含まされようが、鬼レベルでかっこいいし、なんといっても顔!顔のよさがハンパないので、抗えない。「顔がすごい」とはまさにこのこと。こんな私も、古株も新規も、今日初めてみる方も、全く違う畑や沼にいる人も、なんならK-POP初めて見る人も、どちら様もどちら様も全部一発まとめて虜にしてしまう威力のベタなビジュアル&オーディオだ。さすがである。

 

SMは、負けたフリをしているだけで、まだ諦めてないと思う。

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ところが、それは単に先行3曲に関してだけの措置であって、本丸である127(唯一固定)やそれ以外に関しては、全然違うかもしれない。泣いて喜ぶのは早い。
この先行3曲に関しては、既に普通に活動させてるのに、アルバム発売までは音源も出さないというのでよほど2018のアルバムをバカ売れさせたいんだなぁと思うし、それを単独コンサートに繋げたいのも、よくわかる。

だが、127の日本デビュー&日本活動が決まってるし、このアルバム以降この春以降を考えると、こんなに大風呂敷キャンペーンをしてても、この「わかりやすいかっこよさ」は、正直継続されないような気がする。大体、MV6本作る、といってるだけで全6曲とはいってないので、全部で10曲以上あり127だけで難解曲3曲以上あるのかもしれないし。
結局は、やはり、SBS歌謡大祭典(KBSでもMBSでもいいんですが)みたく、「パァっと咲いて終わる一夜限りのお祭り!ここでしか見れないから是非ご視聴下さい!」で終わってしまうのではないか。年末だけの恒例行事的な。だからこそのイヤーブック2018なんじゃないのか。春からは、当初のNCT戦略に戻り、また来年2月になったら、イヤーブック2019プロジェクトが立ち上がって1枚アルバムを作る。テレビに出る。いろいろやる。で、また戻る。そういうことなんじゃないの? 知らんけど。いま、これ書いてる時点では先行曲しかみてないからなんともいえない。

 

実は、SMアイドルグループは、どこも最初2年間くらいは、実験というか様子見というか、突拍子もないデビューSMコンセプトに始まって、先輩への配慮なのか「わざと売れすぎないようにしてるの?的な路線をいくのが定石なのだ。

それで、f(x)だってEXOだってRVだって、さんざん失敗作と叩かれてきた。思い返せば、それぞれに、結構とびぬけたコンセプトで無茶苦茶なことしてたように思う(綺麗に忘れるんだよそういう過去って)。エプだって、初のグローバル戦略のもと結成され当時としては目を見張るようなことしてたし、EXOだって、日中同時平行活動という無茶苦茶な戦略ありきだったし、結局SMは、韓国で一番といっていいくらいの博打うちだしチャレンジャーなのだ。その志は山より高くしつこいので、たとえダメもとでも、とりあえずは大金つぎ込んでチャレンジしないと気が済まないんじゃないか、イスマンというひとは。ま、その志には感服するよね。


でも、やっぱり思うように成功しないのは、織り込み済みなんだと思う。

2年くらいたつと、そこまでのファンや大衆の反応を参考に、路線を変えはじめる。ちょうど年齢も上がってきて、メンバーたちの実力が落ち着くというか慣れるというか、顔も不思議と整う時期とかぶるのでちょうどいいのだ。そしてその頃にちょうど次の後輩同性グループがデビューすることになるので、突拍子ない実験的コンセプトは、後輩にまかせ、先輩は被らないよう少し大人の階段を上って普通にかっこいいことをやるようになる。そうなって初めて、「失敗作」といわれ続けたグループが、急にかっこいい人気不動のグループに変身するのだ。f(x)だとラパパンあたりから、EXOは脱退劇を挟んでグロウルOVERDOSEあたりから、れっべるはピカブあたりから、ってことになるわけだ。


そういうSMの歴代アイドルの昇華方法を考えるとまあ、NCTも2年だしこれが「大決算」というか「最初の清算」というか、そういう措置で間違いないと思う。いつかはやらねばならなかった消化試合みたいなもんだ。ここらで一気に、取りこぼしてきた売り上げとか、人気、評価、ファンなどを回収してるだけで、それをやって次に進むんだと思う。まあ、やっつけ仕事っていう面が非常に強いと思う。

重要なのは、こんな、やっつけ仕事ではなく決算後なのは当然で、一体NCTの場合は、どういう路線に昇華させるのかってことだ。

前述したように、そんなに簡単に、先進性や前衛的な面を諦めるとは思えないし、そこまでわかりやすい普通のビジュアルを定着させる気もないだろう。何より、今回は音楽性を変えるだけじゃなくて、「開放性」「拡張性」というルールをどこまで引っ張れるか、いつどれだけそれを捨てることにするのか。それが難しいと思う。

どうするんだろう。まあ、個人的には、しれっと今年後半から来年にかけて、「そんなことありましたっけ?」的に、全部固定メンバーにするんじゃないかと・・・・私は思っている。さらに、最終的には、ユニットはなくなって、たった1つのグループとして生き残ることになると思っている。(今の韓国人8人のEXOみたいにっ!)

今の127拡大版みたいな感じか。

だって、マーク並のビジュアルと性格を兼ね備えたSMらしい上品本格派ラッパーを、新たに発掘するか育成するかしない限り、物理的な問題として彼の「かけもち待ち」では、活動が限られるからである。これまた、知らんけど。どちらかというと、会社がマークにいろんな活動を強いてきたというよりは、マーク本人が前のめりで「やります!」「それもやります!これもやりたいです!やらせて下さい」という気持ちでいてくれたおかげでNCTはいろんなユニットを実現してこれたわけだが、今後はそうもいってられないだろう。マーク問題は、しょっぱなからずっといわれてきたが、結局彼以上の人材が見当たらないしNCT戦略、最初っから何ひとつ変わってない気がしている。EXOもそうだが、こういうこと考えてていつも思うのは「最終的には結局人材なんだな」ってことで、ほんとに痛感する。A&Rがいくら優れていても、アイドルはやっぱり人材ありきなんだよなあ。

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とりあえず、大金かけて展開中の大決算を楽しんだ後、次なる新しい路線を、今年は楽しみに拝見することにいたしましょう。できれば、「さすがSM」「さすがイスマン」といわざるをえないような昇華方法を見てみたいものだ。心から。