お留守番のあとに。

アイドルなのに音楽性を論じられたり求められたり分析されたりする世界。

【Red Velvet】ミスキャストでもここまで売ることができる。これがSMの底力。

 

この夏は、Red Velvetが遂にハネましたね。

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もともと、14年「Happiness」のデビュー時から、先輩f(x)とはまた違うガーリー路線だったのですが、翌年のイェリ加入をきっかけに、「Ice Cream Cake」そして「Dumb Dumb」と、一足飛びにポップアバンギャルド色を強め、グループとしてのイメージを固めたように思います。その後の「Russian Roulette」「Rookies」では、他の追随を許さないまでに極端なれっべるカラーをしつこくリリースし、遂にこの夏「Red Flavour」で第一段階の頂点にたったというところでしょうか。

このような、女子グループがやる非常にポップな、サブカルな、前衛的な、そういう思いきったコンセプトは、昔から欧米にも日本にもあって、それ自体は特に珍しくはないはず。いわゆる男子が好む「かわいい女子像」「彼女にしたい像」とはかけ離れたビジュアルなので、男子ファンは少なくなる傾向あるでしょうが。私は好きです!洋の東西を問わずこういうの昔から大好きです!曲はもちろん、その独特なビジュアル(衣装やメーク)も楽しめますからね~。見てて楽しいしかわいいし。

 

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ですが、このれっべるちゃんに関しては、ずっと違和感を感じてきました。

ミン・ヒジンさんがやりだしたビジュアルイメージ(今は誰がやっているのか知りません)は素敵だし正解だし全然おかしくないのですが、、、、が、、が、いかんせん、それを演じているあの5人の女子たちは、あれでいいのでしょうか。あの子たちは、あの強力なれっべるイメージに合ってるんですか? その違和感です。

随分前(前のブログで)、あの子たちは本当はかわいくて美しいお嬢さんなのに、わざわざ、サブカルコンセプトを表現すべく「ブスプレイ」をしているのだという記事を書いたことがあります。私は、今もまったく同じ考えです。なぜなら、ああいうちょっと前衛的なビジュアルイメージには、正統派な美人やかわいさというものが最も邪魔になるからであり、逆に「ちょっとブス」という顔が最も必要になるからです。

で、ここがすごい重要なんですけど、「本当は美人なのにあえてプスプレイをしている」という「あえて」のところがサブカルアバンの真髄だというのに、15年以降の彼女たちをみてると、あえて、を抜かして「単なるブス」「ただのブス」になってる気がするんです。そう、そこなんです。繰り返しますが、本当はブスじゃないのにわざわざ醜くしてる!っていうのがミソなのに、大衆に「普段あれだけ綺麗な人がね~」と思わせないと意味ないのに。ブスがブスプレイしてそれのどこがコンセプトなのっつう話ですよ。みんなまだ本当は美人って思ってるかなあ? 減ってるような気がする。それがここ3年間ずっと思ってる私の違和感の元です。

 

 

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デビュー時が一番きれいでかわいいお姉さんだった

 

よくわからないけど、ひどいときは、顔だけじゃなくて、スタイルまで現実より悪いバランスになっていて、メークや衣装が似合わなさすぎなんじゃないか?と思っていました。「いや、あれ本当にあの程度の顔なんだよ。背も低いし手足も短いし大体太りすぎだからスッキリみえないんだよあれが実力」という、まことにご辛辣なご意見をちらほら耳にしたので、そうだろうか?と考えた時期もありましたが、この夏のレッドフレーバーの為に、ガリッガリのカリッカリに痩せてきた5人の姿を見ると、やっぱりそうじゃないと思います。たしかにスーパーモデル並みの体格なのかと問われたらさほどでもないですが、あれだけ痩せこけてかわいそうな身体になっても、やっぱり衣装が似合わない。それ以前にスチールのポーズや表情さえ似合わない。ものすごく無理して作ってるのは予想できますが、何年やってもまったく似合うようにならない。これはもう致命的です。

つまり、彼女たちのフィジカルな問題ではなくて、この根本的な違和感は、キャラクターイメージからくるものだと思います。

 

あの5人は、もともと、ああいうガーリーポップ、しかも、サブカルでアバンギャルドプログレがやりたい類の少女ではなかったと思います。ふつ~のポップスをやりたかったんじゃないですかね? それとか時期的に考えて少女時代先輩みたいな歌手になりたい!!とか。よく知らないけど。(まあ聞いても多分本音はいわないだろうから無駄だけど)まだ、ベルベット部のしっとりとした女性らしい路線の方がよっぽどしっくりくると思われるそういうタイプです。どっちにしてもどんな曲がきても、歌とダンスはうまいっていうのは、さすがSMさんですよね。まあ、SMの練習生をしている子たちは、自分はどういう路線でやりたいか、などという明確なビジョンは持たない方が幸せ(その通りになることはまずないので)だし、そんなビジョンはなくてただ単に「アイドルになりたい!」男子なら「もてたい!」女子なら「ちやほやされたい!」といった思いで、ぎらぎらしてる子が一番向いてると思います、思いますがそれにしても、そのコンセプトに関しては全く素養がない子たちばかりを5人選んでしまったことよのぅと思います。

 

 

ここでひとつ、「でも、自分が何をやらされているのか、これはどういう意味のコンセプトなのか、わからない知らされない無垢な状態の方が、素材としてはいいのでは?」という考え方もあるかと思います。

たしかに、それはそうです。特にこういう、高等で複雑で練り上げられたカルチャーチックなコンセプトになればなるほど、それを演じるアイドルは何も知らされずに、思いきった衣装を着るだけ、思い切ったメークをされるだけ、思い切った表情で思い切ったポーズをとるだけ、という素材に徹した方が成功するでしょう。変に勉強したら、どんな表情も出てこなくなりますもんね。だがしかし、それは「素材の力」が内にあってのこそ。強力なコンセプトにまったく負けない手つかずの魅力やキャラがその人に備わっている場合の話です。あの子たちは、リーダーアイリンをはじめ、結構皆が大人になってしまって、わりといろんなことがわかってしまったマジメな子たちだし、やっぱり生まれ持った「普通の人」という感覚が邪魔してるような気がします。本人たちが、心の底から「今度の衣装も超かわいいっーーーー!!うれしいーーーっ!」って思ってるようには見えませんし、だからといって「ちっ、またこんなへんてこりんな髪型させられるのかよ」と切れてるようにも見えませんし(その方がまだよかったかも)、「あ、次これなんですね。。どどどういうイメージの、、どのモチーフなんですかね、私なりに家で勉強を・・」とかいってそう。。そんな人が、頑張って用意してきてどんなに純情無垢な演技をして、不思議の国のアリスになりきろうとしても、やればやるほど、下手な大人が下手な芝居をしてるようにしか見えない。向いてないんですよ。

 

アイリンはマジメすぎ(あと悲しいかな美人すぎ)。スルギは努力しすぎのいい人すぎ。ウエンディは要領よすぎのあわせすぎ。ジョイは脅かされすぎていうことききすぎ。イェリはしっかりしすぎの根性座りすぎ。(テキトーです)と、折角当初は天然のいい味だしてたジョイやウエンディまでが、すっかり大人の職業アイドルになった気がして残念といえば残念です。

 

すっかり、前置きが長くなってしまいましたが、

(えーーこれ全部前置きだったの?って感じですねすみません)今日は、これじゃなくて、そんな違和感満載のままでも3年もやってきて、ちゃんと1位もふつーーにとれるようになって、着実にファンも増えて、着実に売り上げも伸びて、そしてとうとう単独コンサート! 日本デビューー! っていう絵にかいたような「計画通り!」な、この実績を目の前に突きつけられて、私は「やっぱり・・・・SMってすげーーな」と思った。嫌味じゃないです、本当にすごいと思って感心した。ってそういう話です。

 

ぐうの音も出ないですよね。

あのf(x)も、3年以上ずっと「SMの失敗作」とボロカス言われ続けていたのに、今、ふと気が付けば、そんなこと一切なかったかのように、世間では今はかっこよくて魅力的な伝説的グループとして祀り上げる風潮になっており、そして、れっべるちゃんも然り。えぷもれっべるも、そのグループコンセプトには正直むいてないメンバーだらけだったのに、SMというところは、一度そうと決めてデビューさせたら、どんだけ向いてなかろうがイメージ違いであろうが、なんとかビッググループに仕立て上げてスターダムにちゃんと予定通りの年月でもってくところが、本当にすごいです!

 

こういうところこそが、SMエンターテイメントの底力かと思います。

体感的には、メンバーがそのグループコンセプトに寄せていくっていうよりかは、ファンや大衆の方こそが、グループコンセプトに寄せていって解釈を緩めてくれることにより、コンセプトとメンバー個性との大きな距離や違和感を縮めていってくれる。そして、遂には「彼女たちにこそぴったりのコンセプト!」と思えるくらいまでになってくれるっていう、強力な洗脳作戦といった方が近いかとと思います。だって、似合ってないもん。(しつこい)

よく考えたら、EXOだって、今思えば全然グループコンセプトに向いてないメンバーがいたような気が・・・しないでもないですね。やっぱり、グループを作る際は、歌やダンスの実力はもとより、年齢や身長体格や練習期間などいろいろ考慮して、さらにバランスとるのが相当大変でしょうから、「この子にあのグループコンセプトが向いてるか」なんて、わりと最後のチェックなのかも。

それに、SMの場合は、「そんなもん、あとでなんとでもなる」という自信があるのではないでしょうか。なんつっても、「なんでも教えられる」「教えられないものはない」「才能でさえ教えられる」と豪語してるそうですから。すごいです。結果、SMの練習生はよそと違って、やっぱりサラブレッド感があります。どんなグループに入れられてもちゃんとこなせる実力とセンスを叩きこまれているのをみると、あながち、そのトレーニングに対する自負も嘘ではないのかもしれません。

 

最近、SMはこれまでとは明らかに違った方向に進んでるようにいわれています。

稼ぎ頭のベテランが兵役に行ってた間、収入激減してたというのに、例のNCT戦略1つとってもみても、いまだに「?」という部分が大きいままですし、少女時代も適当な曲で1位を獲らずじまいのまま10周年カムバを早々と引き揚げましたし、EXOもかつての追い上げ(もう追いかけられる立場ですからねえ)はありませんし、わかりにくくなってるのは私もそう感じています。

しかし、こういう「やろうと思ったことはちゃんとやる」という実績をみていると、やっぱり、折込済みなんじゃないかと思います。例えば「1位を獲ること」「獲らせること」への執着はとりあえず捨てたように思います。これだけ群雄割拠といった熾烈な市場で、自社のアイドルグループを被らずに活動させるだけでも、スケジュール調整が大変なのに、いちいち、1位を獲らせることに苦慮するよりも、NCTならNCTのコンセプト、少女時代なら少女時代のコンセプト、れっべるなられっべるのコンセプト、というように、デビュー以来のグループコンセプトをひっくり返すことなく、全うさせることの方を100倍大事に考えているのでは。だって、その方が、中長期的に見た場合、絶対に儲かるじゃないですか。目の前の1位を獲ろうと思えばいくらでも獲れるんでしょうが、その1曲のために、大事に育ててきたグループコンセプトを崩すことの方を恐れてるように感じました。1曲ごとに、がらりとイメージを変えてくる中小事務所と比べると、ものすごく大きな違いです。

 

というわけで、私は今年、この苦しい中にあってこそのSMを見て、目の前の実利よりも、「中長期的な計画こそを大事にする」「グループコンセプトこそを大事にする」

っていう経営姿勢?みたいなものを強く感じました。

 

れっべるちゃんたちを予定通り、この夏とうとうハネさせたSMですが、この後は彼女たちは第二段階に入るので、活動曲とかも芯は変えずとも、少々大人むけ雰囲気にシフトするでしょうね。個人的には、べるべっとの部分ももっとリリースしてほしいです。そして、次はいよいよNCTなんでしょうか。今、これだけ見えにくいといわれているNCT127ですが、不評ではないにせよ、あのオシャレで先進的なゴリゴリグループコンセプトを一切崩さないまま、本当にハネさせることができるのかどうか、め・・っちゃくちゃ楽しみです。ていうか、あんな状態のままでもよく1位になれたなって方が既に偉業。あれもSMでないと絶対できなかったことであり、何が腹立つって、それを十分SM自身が知ってて確信犯的にやってる、ってとこです。

どうなるんでしょう。本当に楽しみです。